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【温故新地】vol.02 クラブママプライド(前編)

最終更新: 2018年11月13日


温故新地とは

 北新地のレジェンドから古き時代を学ぶ「温故」と、これからの北新地についてどう活かしていくかを考える「新地」の二本立てで構成されるトークセッション型の講演会。 レジェンドや、普段あまり交流のない同世代の方、同じ職種の方々、まちとのつながりが生まれるきっかけの場としていきたいと思います。

ゲスト「山名和枝さん」

花街からクラブのまちに変わっていった北新地。その創世記から日本が未来に向かって邁進していた高度経済成長期、羽振りがよかったバブル期、社会全体が落ち込んでしまったバブル崩壊など、日本の時代とともに北新地のまちを支え続けているクラブ山名のオーナーママである山名和枝さんをゲストに迎え、「温故新地」の第二幕を開催しました。  





●北新地に憧れたきっかけ

 「夜の蝶」という華麗な映画に、「こんなきらびやかな世界があるのか!」と衝撃を受けて夜の世界に飛び込まれた山名和枝さん。そこには、お育ちになられた環境も大きく関係していました。

ご実家は須磨にあり、お父さまが日本郵船の外国航路に乗られていた影響で家の中はハイカラなもので彩られていました。戦後、お父さまの退職をきっかけに生活が一変。「退職金があるうちに、何か行動を起こさないと」と慌てたお母さまは、海外を渡り歩いていたお父さまが毎朝飲まれていた珈琲にヒントを得て、当時は上級な方のし好品であった珈琲のお店を始められました。

お店には現在のクラブにいらっしゃるようなステータスのある方が来られていて、常連の中にはBarで働く女性の方もいらっしゃいました。

「夜の蝶」の世界に憧れている山名和枝さんは、その世界に近づきたい一心でお姉さまにクラブで働くことを勧め、そのBarの女性のお客様にも頼み込み、お姉さまはそのお店で働くことになりことになりました。


山名和枝さん

あの当時、日本人が外国を見るには船に乗って見て回る父のような方法しかありませんでした。父も仕事を通じて世界が見たかったんでしょうね。私も仕事を通じて見た世界に魅了されたのでそこは同じだなあと思いました。 」


ご実家でのご様子

 



働く前は「どうして私が水商売なんか…」と言っていたお姉さまでしたが、お会いできるお客様の顔ぶれや華やかな世界に魅了され、嬉々として通われていました。

 お姉さまの楽しげな様子を見てうらやましくてしょうがなかった山名和枝さんですが、時代も時代であったため、お母さまの猛反対でお姉さまのお店に行くことは許されませんでした。

 そんな年の暮れ、当時有名だったラテンミュージシャンのトリオ・ロス・パンチョスが来日し、お姉さまの働くお店で3日限定の演奏をすることに。ファンだった山名和枝さんは、3日間の期間限定で[クラブアロー]に働くことになりました。



山名和枝さん

「 夢のような3日間を過ごして、辞めることができずに、そのまま勤めてしまったんですね。母親には泣いて反対されましたけれども、毎日、有頂天で働かせてもらいました。 」


●北新地で勤め始めて[アロー時代]

 18時からのミーティング。初めにボーイさんに教わったことは、トイレへのお付き添い。「男性のお客様はお手洗いに立たれるとフッとお家のことを思い出して、こんなことしていていいのかなと思ってしまう。そうならないように、おしぼりを持って扉の前で待っていれば、お客様の気持ちも戻ってくる」ということを教わり、同僚から生真面目にやりすぎだと言われても、常に実践されていました。



山名和枝さん

夜の蝶とはよく言ったもので、売れっ子はあっちへひらひら、こっちへひらひら。お呼びがかかるから目まぐるしく動いてるんですね。お呼びがかからなかったら、席に座ってじーっと待ってるわけで、あれは夜の蛾やなと。売れたくて売れたくて、夢にも見てました。 」



●北新地で勤め始めて[B&B時代]

 2か月ほど勤めると、[B&B]というお店が新しくオープンする、どうやら日給はクラブアローの倍の2000円だという話が耳に入りました。当時のクラブアローの日給は1000円。売れっ子の高価な服装にも憧れていた山名和枝さんですが、クラブアローが好きだから面接には行かないつもりでした。それを聞いた同僚から「若尾ちゃん*には無理やな」(*山名和枝さんの源氏名)と言われてしまい、負けず嫌いに火がついてB&Bの面接を受け、無事合格。B&Bに移ることになりました。


山名和枝さん

「この世界に憧れたのに、お金で動いてしまった自分に反省もしました。ただ、知らないことや聞いたことのないことが聞けることの魅力、自分の好奇心で動いてしまいましたね。」



 優雅なお店から一転、色んなお店の売れっ子が集まってきたB&Bは、席の取り合いで店内は人だらけだったそうです。けれど一週間もすると、役に立たない人はごっそりとクビになり、さらにはその一週間後には山名のママもクビになってしまいました。



山名和枝さん

「親の反対を押し切って夜の世界で働いた罰が当たったんだと思い、珈琲店に帰ろうかとも思いました。けれど、出会える男性の素晴らしさや、華やかな世界の魅力には勝てず、次のお店を探しました。」



夜の世界に入るまでのいきさつからホステスさんとしての下積み時代を経て、山名和枝さんの躍進が始まる中編へと進みます。

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